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最近、中小企業やベンチャーなどでは、固定電話を持たずスマートフォン(以下、スマホ)を利用するケースも増えています。しかし、固定電話の電話番号を持っていない企業は信用が得られにくいといった理由もあり、依然として多くの企業が起業時に固定電話を契約して利用しているのが現状です。
ただし、一口に固定電話といっても、電話番号の取得方法はいくつか方法があるため、起業する際には自社に合ったものを選ぶことをおすすめします。今回は、起業時に電話番号を取得する方法と、それぞれのメリット・デメリットをご紹介するので参考にしてみてください。
固定電話(NTT加入電話)とは、NTT東日本・西日本が提供する固定電話のサービスになります。
NTT回線の固定電話はWebサイト、もしくはお電話での申し込みが可能です。
NTTの回線サービスには、アナログ回線を使用するものとデジタル回線を使用するものに大きく分けられます。
アナログ回線を使用するプランは、施策設置負担金を支払う「加入電話」と、施策設置負担金を支払う必要がない「加入電話・ライトプラン」の2つが提供されています。この2つのプランにサービス内容の違いはありませんが、「加入電話・ライトプラン」に関しては施設設置負担金がかからず初期費用が少なくて済む代わりに、月々の利用料金が「加入電話」プランより少々割高になり、権利の譲渡や利用休止などはできないという特徴があります。
デジタル回線を使用するプランは、加入電話と同様に施策設置負担金を支払う「INSネット64」と、施策設置負担金の支払いが不要な「INSネット64・ライト」の2つです。1本で2回線同時に使用できる点が大きな特徴で、電話とFAXを別々の番号で利用することが可能です。2回線申し込みたいという場合は、加入電話を2回線契約するよりもお得になります。こちらもアナログ回線の2プラン同様、サービス内容に違いはありません。
アナログ回線とデジタル回線の合計4プランの中からご自身に最適なプランを選択しましょう。
固定電話のメリットとしてまず挙げられるのが、通話品質が良いことでしょう。また、すべての電話番号に連絡できるので、緊急通報や特番通話などもできるため安心です。
ただし、遠距離や海外などに通話する際に料金が高額になる点は固定電話のデメリットといえます。また、電話加入権を購入する場合には36,000円(税抜)が必要な点も、多くの方が加入をためらう理由といえるでしょう(ライトプランを除く)。
ちなみに、良くメリットとして挙げられる「固定電話なら停電時も利用できる」というのは、正しくもあり、間違いでもあります。利用できる固定電話は、電話機から電話線のみ出ている黒電話と呼ばれる電話機であり、コンセントから給電されているタイプの固定電話は停電時利用できません。
光IP電話は「0AB-J IP電話」とも呼ばれる、固定電話サービスのことです。
「OAB-J」とは「03」や「09」といった市外局番からはじまる電話番号になります。最初が「0」からはじまる9桁の数字がアサインされ、電話番号が払い出されるのです。
そして、このOAB-Jの電話番号が割り当てられたIP電話のことを、OAB-J IP電話と呼びます。
光IP電話の電話番号を取得するためには、フレッツ光のホームページから申し込めばOKです。ただし、フレッツ光回線の契約および、開通時には工事も必要になります。
光IP電話が利用できるようになるまでの期間は、回線の開通後、1週間程度です。
光IP電話のメリットは光回線を使ったIP電話ということもあり、基本料と通話料が安いことです。最近は光IP電話の代理店も多く、リーズナブルに契約できるケースも多いです。
また、アナログ回線から光IP電話に切り替える際、番号ポータビリティが可能なため、電話番号をそのまま引き継げる点や、「110番」などの緊急発信やフリーダイヤルへの発信が可能な点もメリットといえるでしょう。
一方、光IP電話のデメリットは光回線の契約が必須であることがあげられます。光回線の工事には申し込みから1か月~2か月程度の期間が必要になることもあるため、すぐに利用することができません。また、物件によっては工事のために壁に穴を開ける必要があるため、建物オーナーの許可が必要な場合があります。
さらに、光回線を利用する際に必要になるルーターのレンタル費用も別途必要です。なお、光IP電話の場合サービスエリア以外では申し込みができません。NTTのひかり電話は多くのエリアをカバーしていますが、それでも利用できない住所があるので気を付けましょう。
「PBX」とは、「Private Branch eXchanger」の略語で、一般的に「主装置」と呼ばれるものです。ある電話機で受けた着信を複数の内線端末に転送したり、一つの電話機で複数の電話番号を利用できたりするサービスになります。
なお、最近はPBXの機能をクラウド上で実現したクラウドPBXが主流です。クラウドPBXは従来のPBXに比べ導入ハードルやコストが低く、多機能な点が特徴です。また、クラウドPBXは固定電話の番号をスマホなどで利用でき、個人持ちのスマホの電話番号とは別に会社の代表電話の電話番号を設定できます。
クラウドPBXの電話番号を取得する場合は、電話もしくはPBX提供ベンダーのホームページにある問い合わせフォームから申し込みをしましょう。
従来型のPBXは設置工事が必要になるため、導入までに1ヶ月以上の期間がかかることもありました。しかし、クラウドPBXであれば数日で開通できるサービスもあるため、すぐに固定電話の番号が欲しい方に最適です。
クラウドPBXのメリットは、固定電話の電話番号が利用できるようになるまでのリードタイムの短さと、コストの安さです。また、移動中でも固定電話の電話番号が利用できるため、外出や出張が多い方にとっては非常に便利でしょう。
会社の代表電話として固定電話の番号を持つことができますので、起業したての会社が社会的信頼度をアップする方法としては最適です。また、アプリという特性を活かし、営業外アナウンスやWeb電話帳など、さまざまな機能が追加できる点も嬉しいポイントでしょう。
ただし、ベンダーによっては110や119など緊急連絡先に連絡できないことや、会社の住所に該当する市外局番の電話番号を提供していないこともあるので注意が必要です。
クラウドPBXのメリットやデメリットについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もあわせて読んでみてください。
クラウドPBXのメリットとデメリット~失敗しないための解説~
今や1人1台は持っているといわれているスマホ。冒頭にも紹介した通り、中小企業やベンチャーでは、固定電話を持たずスマホの電話番号を代表電話にするケースも増えています。
スマートフォンで電話番号を取得したい場合は、通信キャリアのショップに行って回線契約を結べば、即日から利用可能です。また、最近は格安SIMなどもありますので、コストを抑えたい方は、そちらを利用するのもよいでしょう。
起業時にスマホで電話番号を取得するメリットは、すぐに使えてコストも抑えられる点でしょう。格安SIMで契約すれば、コストをかなり抑えられます。
ただし、一般向けサービスの問い合わせ先が「090」や「080」で始まる電話番号だった場合、「この会社、大丈夫なのか……」と思われることもあります。スマホの番号を会社の代表電話にする場合は、社会的信用度が低くなる点に注意が必要です。
また、コンプライアンスが厳しい企業においては、取引先として認められないケースもあります。例えば、銀行などからの融資が受けづらくなるといったデメリットが考えられるでしょう。
したがって、起業時に取得する電話番号として、スマホの電話番号はあまりおすすめできません。
直収電話とは簡単に説明すると、NTT東日本・西日本を介さない、民間の業者が提供する固定電話サービスのことです。厳密に言うと、民間業者がNTTから電話回線や機器を借りて、固定電話のサービスを実施するものになります。
直収電話は民間の業者を介してサービスを利用するため、電話加入権の購入が不要な点が大きな特徴です。
直収電話の電話番号を取得したい場合は、サービスを扱っている業者に問い合わせて、契約をすればOKです。サービス対象エリアであることが確認できて、回線工事を行えば直収電話が利用できるようになります。
また、NTTコミュニケーションズ の「プラチナライン&世界割」など、工事が不要な直収電話もありますので、早く電話番号が欲しい方は、こうしたサービスを利用するのもよいでしょう。
直収電話のメリットは、NTT東日本・西日本を介さないことから、通話料金が安いという点です。また、複数の業者から来ていた請求書を、1社にまとめられる点も大きなメリットでしょう。
一方、業者によって提供しているサービスが異なるため、利用できないサービスがあるかもしれないというデメリットがあります。また、一部のNTT固定電話のサービスが利用できない点も注意が必要です。
電話代行・秘書代行サービスとは、その名の通り電話の代行をしてくれるサービスです。主な業務は電話受付ですが、電話番号の貸し出しを行っているベンダーもあるため、電話回線が引けない場合や、工事が面倒な場合も代わりに電話番号を取得することができます。
電話代行・秘書代行サービスを利用する場合は、提供ベンダーのWebページから問い合わせる方法が一般的です。
ベンダーの持つ電話番号を借りる形となりますので、回線工事などは必要なく即日~数日で電話番号を取得できます。
起業時に電話代行・秘書代行サービスを利用するメリットとしては、電話受付を代行してくれるため、業務の手を止める必要がないことです。また、一次受付までをしてくれるサービスから、FAQの対応までしてくれるサービスまで様々あり、自社の目的にマッチした対応範囲を選ぶことができるのも魅力の一つです。
一方、電話代行・秘書代行サービスのデメリットはーオペレーターの全員が自社商品に対して全て理解するのは難しいため、対応可能な範囲はどうしても限られてしまいます。また、電話代行・秘書代行サービスの内容によっては、顧客に対して折り返し対応になってしまうため、ビジネスチャンスを逃す可能性があります。
起業時に固定電話番号を取得する方法は、今回ご紹介したようにたくさんの種類があります。ご自身の都合にあわせて、最適な方法を選ぶことで機能的にもコスト的にも満足できるサービスが見つかることでしょう。
企業が固定電話の電話番号を持つことは、社会的信用を得るための方法のひとつといえます。現在は、安くて早く導入できる固定電話番号を取得できるサービスもありますので、これから起業を考えている方は、今回ご紹介したサービスを利用してみてはいかがでしょうか。
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